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名称変更にあたって

難関大学受験・誠真塾は、2009年、高崎市あら町に開講し、10年間に渡り、地元の方々に、それなりの評価を受け、国公立は、57.6%、早慶上理&ICUは、44.9%、GMARCH&私大医学部は、71.4%、国公立大+難関私大の合格率、延べ192.4%合格と、着々と実績を積み重ねて参りました。 が、最近の高崎付近の高校生は、英語はどこ、数学はどこ、と、いう具合に、塾を掛け持ちする傾向が強くなってまいりました。そして、当塾は、英語塾、という風評を得てしまったようです。

こうした状況の中、東京から、ニーズの少なくなってしまった他教科の先生方をお呼びすることは、最早、失礼になると判断しました。そこで、英語だけに特化するとともに、名称も、それなりに英語専門塾らしい何かに変更しようと考え、この度、塾名を変更いたします

英語専門塾Nexusの由来

Nexusという新しい塾名は、20世紀前半の、世界最高の英語学・言語学者のひとりである、デンマークのOtto Jespersen博士(1860-1943)が、その代表的著作The Philosophy of Grammar(1924)において、本格的に提唱した文法理論のひとつである、Nexus(1924)に由来します。

この、Nexus(塾・予備校では、抽象名詞構文、あるいは、簡略化して、名詞構文という言い方が一般的なようです)という考え方を、私は、大学入学時19歳の春から、30年以上に渡り、徹底的に分析を続けてきました。そして、自らの眼で収集した入試問題(1883-2018)の実例、100,000例以上の中から、短いながらに、これは!という例文を厳選してテキストを作製、授業を実施して参りました(ちなみに、他の塾・予備校では、90分~100分一回程度しか、Nexusを正面からは扱わないことが多いようです)。

その結果、過去10年間の塾生の英語のセンター試験の平均値は、85%を越えるに至りました。この数字は、塾の特長である、どんな英文にも(定型文なら)必ず含まれる、名詞と動詞の解釈の仕方を中心とする授業、つまり、入試の最頻出事項であり、かつ、最も難しい内容を、一年間通して行い、どんな英文にも、太刀打ちできる英語力を養成するわけですから、当然と言えば当然の結果です。また、未知の語句の類推法、センテンスの相互関係、パラグラフの構成パタンと相互関係、文脈(context)のとらえ方、情報構造(information structure)と結束性(cohesion)要約の仕方、各種設問解法等を徹底的に指導した結果に過ぎないとも言えるでしょう。もちろん、それほど自慢できる数値でもありませんが、指導内容・テキストの質とも、間違ってはいないことも、ある程度証明されたかな、とも感じています。

英語専門塾Nexusの特色

  • テキストのQualityが違う!

    英語専門塾Nexusのテキストは、1883~2018に出題された、過去135年間の(旧制)高等學校、官立學校、各專門學校、帝國大學、および、新制大学令(1949)以降に出題されたもののうち、塾長が実際に手に入れたほぼすべての入試問題を仔細に検討・分析し、より選った英文を、効果的に配列した、オリジナルテキストを作製・使用しています。
  • 講師の学力が違う!分析力が違う!!研究時間が違う!!!

    塾長は、大学受験生の指導を専門に、講師歴30年以上、大学院で英語学(主として、統語論、語法研究)を専攻し、通読した文法書・語法書・英語学関係文献は、2,000冊以上、また、所有する英語学関連蔵書は、約5,000冊に上ります。大学入学後、約30年間に費やした研究時間は、およそ100,000時間以上になります(ちなみに、一般的な高校教員の研究時間は、かなり真面目で熱心な方でも25,000~30,000時間程度にしか過ぎません)。 つまり、手前みそになりますが、一般の塾・予備校の講師とは、学力・分析力が圧倒的に違うのです。わかりやすいだけで、合格しにくい(しない?)授業に、お金を、なによりも、時間を費やすことに、何か大きな意味があるでしょうか?
  • 受講生のニーズに応えた、多彩な講座ラインアップ!

     たとえば、本格的な英語読解力をつけたい方には、Basic英語構文・英語構文研究(前期or後期)、英文精読講義(夏期~通年)を、確実な得点力をつけたい方には、頻出英文法問題対策(前期or後期のみ)・発音アクセント対策(講習会)、英作文対策を見越して、の方には、前置詞研究(講習会)・語法研究(講習会)・自由英作文対策(講習会)、等を自由に組み合わせて受講できます。
  • 東大・京大、当たり前!早稲田・慶應、滑り止め!!

    当塾で扱う以上に難しい英文が、大学入試の本番で出題されることは、まず、ありません。これに加えて、テキストのqualityと、講師の分析力・学力から考えれば、英語に関して、「東大・京大、当たり前!早稲田・慶應、滑り止め!!」は、当然の帰結と言えるでしょう。指示に従い、覚えるべきは覚え、誰かに説明できるくらいになるまで復習をしっかり行っていただければ、誰でも上記レベルの大学を突破する実力が養成されるのです。

Nexusに向いているのはこんな人!!

(自著pp.462-3より一部抜粋)


(12) The growth of scientific knowledge has allowed us to control some of the risks of life and eliminate some of its worst evils.

おそらく、「科学の発達は、生命の危険のうちのいくつかを抑制し、また、いくつかの邪悪さ/悪を排除することを可能としてくれた」程度の「珍訳・迷訳」、というより「誤訳」が続出するのではないか。
問題となっているのは、evilsという「具体」名詞である。ここで、手元の辞書(Genius5)を引くと、「悪、邪悪、悪行、害悪、弊害」と、「抽象」名詞としての意味が記載されているが、あくまでも、このthe evilsは「具体」名詞である。なぜなら、与えられる分析記号は、他動詞(Vt’)の目的語(O’)であるからだ。
そして、辞書で与えられたevilの持つ「悪」というマイナス評価イメージ、これはもちろん、利用させてもらう。が、筆者は、このthe evilsを「病気」の意味でとらえるし、そう訳出する。後続内容からも、このことはわかるのだが、この文自体でも、その意味にたどり着くことは十分可能である。その時、ここに必要な考え方とは、意味上のS’-V’-O’-C’-M’の対応4という、極めて単純なものなのである。

さて、語句類推の手順として、筆者が平素から意識していることは、次の通りである。


(13) 全体の表層構造を分析する→派生名詞・準動詞句が含まれれば、さらに意味上の主述関係を分析する→分析した、S’-V’-O’-C’-M’の対応関係をヒントにし、分析記号が対応するもの同士を『反復』、または、『対比』表現と考えてみる。


(14) The growth of scientific knowledge (無生物主語・M’)
: M’ = The growth(Vi’) of<scientific knowledge>(S’)
ここまで読んだ時点で、無生物主語部分(→5.7.)全体は、意味的には副詞的要素(M’)であるから、前後どこかのM’と意味的に繋がり、growth(Vi’)は、前後どこかのV’と意味的に「結束」する。growth(n.)→control, eliminate(v.)「科学が発達したことのおかげで」


cf1. His pride didn’t allow him to accept the offer.

(神戸・本試1974年)


派生名詞prideと準動詞句to accept the offerの意味上の主語(S’)が共通していることをヒントに、「プライドが高い」という抽象表現(前提)を、「受け入れない」と具体化(結果)した例である。(プライドが高くて、その申し出を受け入れることが出来なかった)
cf2. Her recovery from illness enabled her to pursue her study.

(立教・経済-経済1980年)


これも同じである。「健康状態がよくなる」→「学業を再開する」(前提→結果)と考えればよい。(病気から回復したので、学業を続けることが出来た)


(15) has allowed us to V (使役型動詞allow+NP+to V) (→5.7.1.)
: has allowed(助動詞相当・M’)+NP+to V(Nexus目的語・主文相当部分)
has allowedは、「法助動詞的要素(M’)」で、意味的には副詞的に機能し、ここでは、前出の無生物主語部分(M’)全体の言換えとなる。ともにM’という役割が共通点を持つからだ。「(人間には)次のことが可能となった」としておく。「科学が発達した(具体)→次のことが可能となった(抽象)」をとらえる。


(16) us to control some of the risks of life and eliminate some of its worst evils
: us(S’) to control(Vt’)<some of the risks of life>(O’)
and{us} {to} eliminate(Vt’)<some of its worst evils>(O’)
本来動詞であるcontrol(Vt’)とeliminate(Vt’)は、派生名詞growth(Vi’)の具体化で、見た目のsome ofをヒントに、the risks of lifeと、its worstevilsが対応する、と判断する。すると、「生命の危険に関わるもの」→「怪我、事故、病気」などが連想されるが、人間が一定以上にcontrol可能なものとは、この中では「病気」とするのが妥当であろう。したがって、evilに「病気」の意味を、いわば、「被」せて、意味を絞り込む、といった具合に処理するのである。かくして、「最悪の/治療法のない病気」程度に捉えることは可能であろう。「生命の危険に関わる病気のうちのいくつかを抑制し、また、これまでは手の施しようのなかった、死に至る病のうちのいくつかを排除することも出来るようになった」


以上のことは、等位接続詞andによる共通関係から類推してもよいが、類推は共通関係からだけをヒントに行うわけではない。等位接続詞and, but, orなどは、用いられていないこともあるが、文構造は普遍である。語句の変容とその類推は文構造から行うのである。


4. 断っておくが、This is a dog.とThis is a god.が、文構造と分析記号が共通する(SViC)からといって、a dogとa godが同じ意味、ということを主張しているわけではない。あくまでも、意味・情報の流れとまとまりという観点から考えて頂きたい。ただし、穿った見方をすれば、この2つが同じ意味を暗示することは、前後関係がなくとも、一応、可能ではある。その証拠に、dogを右から、つまり、g-o-dと読んでみればよい。godの裏返し(これはsemordnilapと呼ばれる: live⇄evil, lived⇄devilなど)になる。ならば、The country is going to the dogs.(お茶の水女子・本試 1970年)におけるgo to the dogsが「落ちぶれる、破滅する」という悪い意味になるのも、理解できるであろうし、dog=godの一応の裏付けにもなろう。dogは、よく言えば「神の化身」であるし、悪く言えば、「悪いこと、地獄」などの象徴となるのは、そのためである。そういえば、古期英語(Old English: OE)では、good(<gōd)は、godであったという説もある。